泌尿器科の症状・病気|東松山市のはせがわ泌尿器科皮フ科クリニック - バス停「上沼」近く

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泌尿器科の症状・病気

泌尿器科の症状・病気|東松山市のはせがわ泌尿器科皮フ科クリニック - バス停「上沼」近く

泌尿器科でよくみられる症状と疾患

多尿

成人の場合、約1分間に1mlの尿が作られるため1日の尿量は1,000ml~1,500mlです。ただし、これは飲水量や汗をかくことによって変化します。1日の尿量が3,000ml以上になることを多尿と言います。

昼間頻尿

昼間の尿の回数が多いことで、一般的には日中に8回以上トイレに行くことを指します。

夜間頻尿

夜間に排尿のために1回以上起きなければならず、そのことにより困っている状態をいいます。

尿意切迫感

突然に我慢が出来ないほどトイレ行きたくなるような状態です。台所での水仕事や水の音を聞いたときに急におしっこがしたくなり、漏れそうになることもあります。

尿失禁

自分の意思とは関係なく尿が漏れることを言います。咳やくしゃみなどお腹に急に力が入ったときに漏れる場合は腹圧性尿失禁、尿意切迫感に伴って、自分の意志とは関係なく漏れる場合は切迫性尿失禁と言います。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁がともに認められる場合は混合性尿失禁と言います。

尿勢低下

尿の勢いが弱い状態です。

尿線途絶

排尿の最中に1回以上途切れる状態です。

排尿遅延

排尿の準備が出来てから、排尿開始までに時間がかかる状態です。

尿閉

膀胱に尿がたまっているにも関わらず、自分の力では排尿出来ない状態です。強い尿意切迫感や下腹部痛、冷汗などを伴います。このような場合は早急に処置が必要なことが多いです。

排尿時痛

排尿する時、または排尿が終わったときに下腹部や尿道が痛む状態です。

背部痛・側腹部痛

急激に起こる背中から側腹部にかけての激痛です。悪心、嘔吐、冷汗、顔面蒼白などの症状を伴うこともあります。痛みの部位が移動し、下腹部まで痛みが及ぶこともあります。

尿道痛

主に排尿時に尿道に痛みを感じる状態です。

陰嚢部痛

陰嚢に痛みを感じる状態です。痛みが強い場合は足の付け根(鼠径部)まで痛みが広がることがあります。精巣の腫れを伴うことが多いです。

血尿

尿の中に血液(赤血球)が混じる状態で、目で見て明らかな場合を肉眼的血尿といいます。目で見て尿の色は正常であっても尿検査で尿中に血液が含まれている状態を顕微鏡的血尿といいます。また肉眼的血尿は排尿時痛や残尿感などの症状を伴う症候性血尿と自覚症状がなく血尿が唯一の症状である無症候性血尿に分類されます。

膿尿

尿の中に白血球が混じる状態です。目で見て尿が濁っていることもあります。

精液の異常(赤い)

精液中に血液が混ざる状態です。鮮血や血の塊が混ざることもあります。

勃起障害

性交できる勃起が得られないか、また勃起しても維持ができず満足な性交が行えない状態をいいます。

腎臓の病気

腎のう胞

多くは無症状で、CTや超音波検査などで偶然発見されます。のう胞の多くは良性で治療の必要がありません。痛みがある場合や腎機能に影響を及ぼすものは治療の対象になります。

腎結石

  • 約8割は原因不明で30~60歳代に発症しやすく、やや男性に多い傾向にあります。症状は血尿、痛みです。痛みに関しては激烈なものが多く、嘔気や嘔吐を伴うこともあります。また痛みの場所は腰背部から側腹部にかけて出現し、結石の移動とともに徐々に移動していきます。あまり痛みが持続しないことも特徴的です。
  • X線検査にて結石陰影を確認することもできますが、結石の大きさ(小さい)や結石の成分によっては確認することが困難なことがあります。
  • 超音波検査では腎臓に尿が溜まった状態である水腎症の有無や結石の有無などを確認します。
  • 治療法は十分な飲水と適度な運動によって自排させることを目標とします。痛みに対しては痛み止めを使用します。結石のサイズが大きいものや、自排が見込めないものは外科的な治療を必要とします。
  • 外科的な治療法は体外衝撃波結石破砕術や内視鏡を用いた結石破砕術などが挙げられます。いずれも適した病院へ紹介させていただきます。

腎外傷

  • 交通事故やスポーツ中の接触、高所からの墜落などにより背中を強打することによって発症します。
  • 症状としては血尿や背部痛などを伴い、まれに悪心、嘔吐、発熱などがみられることもあります。
  • 重症なものでは緊急の処置や手術を必要とすることがあります。

腎盂腎炎

  • 細菌が膀胱を経由して逆行性に腎臓まで到達し炎症を引き起こします。
  • 原因菌の大部分は大腸菌によるものです。
  • 悪寒・戦慄を伴う39~40度近い高熱を認め、背中の痛みを伴うことが多いです。また発熱する前に膀胱炎症状を認めることも多いです。
  • 治療は抗生剤の投与ですが、軽症なものは内服で治癒しますが重症例では入院加療が必要になることもあります。

腎腫瘍

  • 大きく良性腫瘍と悪性腫瘍に大別でき、前者は脂肪腫や線維腫が多く、後者はいわゆる癌のことです。
  • 腎腫瘍の多くは悪性の可能性が高いです。
  • 腎癌は50~70歳代に多く、やや男性に多い傾向にあります。
  • 症状は血尿、腹部腫瘤、疼痛と言われていますが無症状のことが大半です。最近では人間ドックや他の病気のための腹部超音波やCTなどで、偶然見つかることが多い傾向にあります。
  • 腎癌の治療法の基本は手術になります。癌の大きさ、場所、ステージなどにより腎臓を1個摘出する全摘術や、癌の部分のみをくりぬくように摘出する部分切除術が選択されます。インターフェロンなどを用いた免疫療法や分子標的薬を用いた治療なども併せて選択する場合もあります。その人にあった治療法を選択することが非常に重要となっております。
  • 良性腫瘍では腎血管筋脂肪腫と言われるものがあります。女性にやや多く、その名前のとおり血管と筋肉と脂肪によって腫瘍を形成しています。当然良性腫瘍なので無治療でもよいのですが、サイズの大きいものや出血を来しているもの、また腎癌と区別しにくいものは治療の対象になります。

腎盂・尿管の病気

尿管結石

  • 腎臓にある結石が下降し尿管に到達した状態です。
  • 背中から脇腹、下腹部にかけて激烈な痛みを伴います。悪心、嘔吐を伴うことも多いですが、あまり長時間持続しないことも特徴的です。今までに経験のない痛みが短時間に起こります。血尿を伴うことも多いです。また血尿が出ているとき、痛みがあるときは結石が尿管内を下降している最中で、膀胱付近まで結石が下降すると今度は残尿感や頻尿といった症状が出現します。
  • 尿検査で血尿を認め、超音波検査では水腎症を認めることが多いです。結石によって尿の流れが悪くなり、腎臓に尿が溜まっている状態です。またレントゲンでは結石陰影を認めます。ただし結石が小さい場合や結石の成分によってはレントゲンにうつらないこともしばしばあります。
  • 基本的には痛み止めによって痛みのコントロールをし、飲水をたくさんすることによって自然に排石されるのを待ちます。約80%の尿管結石は自然に排石されます。大きな結石や自然に排石されない場合は外科的な治療が必要になることもあります。

腎盂・尿管腫瘍

  • 腎盂・尿管に発生する腫瘍の多くは悪性であり、年齢別では中・高年齢層特に60~70歳代に見られます。男性のほうがやや多いです。
  • 喫煙が原因で発生する危険が高く、非喫煙者よりも4~7倍高いと言われています。
  • 症状は肉眼的血尿が代表的ですが、水腎症が原因による腰背部痛によって発見されることもあります。稀ではありますが、体重減少や骨への転移による痛みなどで見つかるケースもあります。
  • 検査は超音波検査、膀胱鏡検査、CTやMRIなどの検査が必要となります。診断がついた段階でステージングを行い、手術療法や抗癌剤を用いた化学療法、放射線療法などを選択します。 

膀胱の病気

膀胱炎

  • 女性に多く、排尿時痛や頻尿、尿混濁、血尿、下腹部違和感などの症状があります。原則として発熱はありません。
  • 若い女性では性交渉が原因であることが多く、中高年の女性は冷え、疲れ、尿の我慢などの原因は様々です。女性ホルモンが低下している中高年の女性は繰り返すことも多いです。
  • 尿検査にて膿尿、血尿を認めます。
  • 治療は抗生剤の内服でほとんど治癒します。

過活動膀胱

  • 急に我慢が出来ないような尿意をもよおし、昼間頻尿、夜間頻尿、トイレが間に合わなくて漏れてしまう尿失禁を引き起こす状態です。
  • 男女問わず、加齢とともに増える病態で前立腺肥大症や骨盤底筋の脆弱などによっておこると言われています。
  • 治療法は内服薬で行います。

膀胱腫瘍

  • 膀胱腫瘍の大半は悪性の膀胱癌であり、良性のものは少ないです。
  • 膀胱癌は女性に比べて男性に多い傾向にあります。また原因の1つにタバコがありますので、喫煙者は要注意です。
  • 症状のない肉眼的血尿は膀胱癌の重要な症状の1つです。排尿時痛や残尿感などを伴うことも少なくありません。
  • 尿検査や超音波検査を行います。膀胱癌を強く疑う場合は膀胱尿道鏡検査が必須となります。やや痛みの伴う検査ではありますが必要不可欠です。
  • 膀胱尿道鏡にて膀胱癌の診断がついた場合は、CT、MRIなどで全身評価をし、治療を開始します。
  • 早期の場合は内視鏡を用いて癌を摘出する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行うのが一般的です。お腹を切るような開腹手術ではなく尿道から手術を行います。
  • 進行性の癌である場合は膀胱を摘出する膀胱全摘術の可能性があります。その他抗癌剤治療や放射線治療などを組み合わせることもあります。個々の症例にあった治療法を選択していくことが大切です。

間質性膀胱炎

  • 頻尿、尿意切迫感、尿がたまったときに下腹部が痛み排尿によって軽減する、などの症状を主とする病態です。
  • 細菌によって引き起こされる膀胱炎とは異なり、膀胱粘膜のアレルギーの一種とも考えられています。
  • よって食事やストレスなどの影響を受けやすく、香辛料の摂取や過度のストレス、うつ状態などが原因の1つとも考えられています。
  • 膀胱尿道鏡によって膀胱内を観察し、特徴的な所見(ハンナー潰瘍)があれば診断可能ですが、明確な診断基準が乏しく、診断するのが難しい病態です。
  • 治療は内服加療を行いますが、膀胱水圧拡張術という術式も選択できます。

前立腺の病気

急性前立腺炎

  • 突然の悪寒、39~40℃の発熱、排尿時痛、排尿困難を症状とする前立腺の細菌感染症です。原因菌は大腸菌が最も多く、半分以上を占めます。
  • 尿検査、尿培養検査にて炎症所見や細菌の有無を確認します。
  • 治療は抗生剤の内服や点滴ですが、全身状態が悪い場合は入院が必要になることもあります。

慢性前立腺炎

  • 発熱はなく、肛門や尿道の鈍い痛み、頻尿や排尿困難など、症状は多岐にわたります。特定の症状があるわけではなく、「何となく陰部周辺に違和感がある」といった訴えが多いです。
  • 明らかな原因はわかっていませんが、長時間のデスクワークや気温の低いところでの作業が影響していることもあります。
  • 尿検査や尿培養検査、直腸診では明らかな異常所見を認めません。
  • 治療の主体は内服薬になりますが、これといった特効薬はなく漢方や消炎鎮痛薬、精神安定剤など、症状に合わせた薬を選択します。

前立腺肥大症

  • 前立腺は膀胱の出口部分に存在する男性にしかない臓器で、重さ20gぐらいでクルミぐらいの大きさが一般的です。個人差はありますが、加齢とともに徐々に大きくなっていきます。
  • 加齢とともに、様々な症状が出現します。昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁、尿勢低下、尿線途絶、排尿遅延、尿閉など多岐にわたります。
  • 問診、超音波にて前立腺の体積を計測し、直腸診、尿流動態検査などを行い診断します。
  • 治療は内服による薬物療法と手術療法が一般的です。内服薬はα1-ブロッカーと呼ばれるものが一般的で、それに頻尿を改善するような薬を併用したり、前立腺の体積を減少させるような薬を併用したりすることで症状の改善をみます。尿閉の既往などがある場合は手術療法が適応となることもあります。

前立腺癌

  • 前立腺癌の加齢とともに発生頻度が増し、多くは60歳以上で発症します。また近年、日本では罹患率、死亡率ともに年々増えている癌の一つです。
  • 前立腺肥大症は前立腺の内部が肥大化してくるのに対して、前立腺癌は前立腺の外側から発生することが多いです。そのため前立腺肥大症が癌化するわけではありません。
  • 前立腺癌特有の症状はとくにありません。前立腺肥大症と違って、排尿症状などが出現しにくいのが一般的です。
  • 前立腺癌はかなり進行した状態ですと、骨に転移しやすいのが特徴的です。そのため骨に転移したことによって引き起こされる腰痛や坐骨神経痛、貧血などの訴えで前立腺癌が発見されることもあります。
  • 検査は直腸診や、なんといってもPSA(前立腺特異抗原)の測定です。PSAは血液検査の項目の1つで、腫瘍マーカーの1種です。採血にて簡単に数値を測ることができます。世界的な基準では4ng/ml未満を正常値とし、4ng/ml以上を前立腺癌の疑いありとしています。ただしPSAは加齢、前立腺肥大症、前立腺炎などでも4ng/ml以上になることがありますので、精密な検査が必要となります。
  • 前立腺癌の診断をするには前立腺の組織の一部を採取する前立腺生検検査が必要になります。採取した組織を顕微鏡の検査(病理検査)にまわして癌の診断をします。
  • 治療法は手術療法、放射線療法、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法などがあります。比較的早期であれば手術療法、放射線療法によって完治することが多いです。また75歳以上の高齢者の場合は内分泌療法を選択することが一般的です。

精巣・陰嚢の病気

精巣捻転症

  • 精巣が捻転(ねじれる)ことによって精巣のうっ血がおこり、壊死にいたる病態です。
  • 突然に起こる陰嚢部の激痛が特徴で、陰嚢の発赤腫脹を伴うことが多いです。思春期におこることが多く、また日中よりも明け方に起こりやすいと言われています。
  • 触診、超音波検査にて診断をします。精巣上体炎と鑑別しにくい場合があります。
  • 捻転症が強く疑われれば緊急手術となります。手術によって捻転を解除することが一番大切です。放置した場合は男性不妊の原因にもなりえます。

精巣上体炎

  • 精巣の脇にある精巣上体に炎症が起こっている病態です。
  • 陰嚢部の痛みが特徴で、陰嚢の発赤腫脹、痛み、発熱を伴うことが多いです。
  • 触診、超音波検査などを行います。精巣捻転症との鑑別が困難なことがあります。
  • 抗生剤の内服を行います。痛みはすぐに改善しますが、腫れが引くのは数か月かかることが一般的です。

精巣腫瘍

  • 頻度は少ないですが、20~40歳代の若い男性に好発します。
  • 悪性度が比較的高く、進行癌で発見されることがあります。
  • 進行癌であっても抗癌剤を用いた化学療法や放射線療法などによって完治可能な場合も多いです。
  • 症状は精巣の腫大と硬い精巣の触知です。痛みがないのが一般的です。
  • 触診、超音波検査、MRIなどによって診断をします。
  • 精巣腫瘍の疑いがあれば、即時に手術の適応になります。精巣を摘除し病理検査にて確定診断を行います。その後必要に応じて、化学療法や放射線療法などの治療を追加します。

陰嚢水腫

  • 陰嚢内部に水が溜まっている状態です。
  • 小児と成人ではタイプが異なります。小児は陰嚢内と腹腔が交通しているために起こる交通性陰嚢水腫、成人の場合は交通していないことが多いので非交通性陰嚢水腫と言います。
  • 小児の場合は自然に改善することもあります。成人の場合は陰嚢内部の水を抜く穿刺や手術が選択されます。

血精液症

  • 精液に血液が混じった病態です。
  • ほとんどが原因不明なので、経過観察することが一般的です。
  • まれに前立腺癌や精巣腫瘍などの悪性疾患が原因のこともあります。
  • 悪性疾患が否定的であれば、抗生剤や出血の止まるような薬を内服します。ただしあまり効果が得られないこともあります。

STD(性感染症・性病)

淋菌性尿道炎

  • 淋菌が原因による性感染症の一つであり、感染力は強く、性的接触後2~8日間に発症することが多いです。オーラルセックスのみでも感染しますので、注意が必要です。
  • 症状は排尿時の痛みや尿道から膿(うみ)が分泌されるのが一般的です。重症例では前立腺炎や精巣上体炎にまで波及することがあります。
  • 検査は触診、尿検査、尿培養を行います。確定診断には7日~10日を要します。
  • 明らかに淋菌性尿道炎を疑う場合はすぐに抗生剤の投与を開始します。点滴によるものが一般的ですが、内服薬もあります。無治療で放置すると尿道狭窄や男性不妊の原因にもなります。

クラミジア尿道炎

  • 最近では淋菌性尿道炎よりも増加傾向にある性感染症です。性的接触後7~21日間に発症します。こちらもオーラルセックスのみでも感染します。
  • 排尿時痛などの症状は軽いことが多く、尿道からの膿(うみ)も出ないことがあります。そのため淋菌性尿道炎よりも受診率が低く、未治療で放置されていることが多いと言われています。
  • 検査は触診、尿検査、尿培養を行います。確定診断には7日~10日を要します。
  • 治療は抗生剤の内服によるものが一般的です。こちらも男性不妊の原因になり得ますので注意が必要です。

尖形コンジローマ

  • ヒトパピローマウイルスが原因で生じる性感染症です。小さな腫瘤(おでき)として発症し、次第に成長してカリフラワー状に発育して多発性となります。
  • 治療は軟膏の外用や液体窒素による凍結、電気メスなどを使用した切除などがあります。
  • 一度完治しても再発することも多く、パートナーの治療も重要です。

性器ヘルペス

  • 単純ヘルペスウイルスが原因の性感染症です。性器の広い範囲に小さい水泡(水ぶくれ)が多発し、びらん・潰瘍化します。痛みを伴います。
  • 治療は抗ウイルス薬の内服、軟膏の外用などがあります。
  • ヘルペスも再発することがありますので、注意が必要です。

男性更年期障害(LOH症候群)

  • 女性において更年期障害は広く普及していますが、最近では男性における更年期障害が認識されるようになりました。加齢とともに男性ホルモンであるテストステロンが減少していくことがわかっています。テストステロンは生殖器、体毛、骨格筋の発育、骨密度、認知能、性機能などに重要な役割を果たしているため、それらが障害を受けることで様々は症状を呈することがあります。
  • 主な症状は性欲低下、勃起障害などの性機能症状や動悸やほてり、筋肉量の低下、発汗異常などの身体症状があります。またうつ、不安、睡眠障害、記憶力低下などの精神・心理症状も呈することがあり、多岐にわたります。
  • 問診票や血中のテストステロンを測定することにより診断に至ります。
  • 治療法はテストステロンの補充療法が中心となります。テストステロンが正常値であってもそれぞれの症状に対して治療が必要なこともあります。

勃起障害(ED)

  • 勃起障害(ED)は機能性EDと器質性EDに大別されます。器質性EDとは海綿体の機能が低下していたり、勃起の神経が障害を受けていたりすることによって起こります。糖尿病や直腸の手術後などに起こることが多いです。一方で機能性EDはメンタルが原因で心因性です。緊張や自信喪失などが影響していると考えられており、一般的に「朝立ち」や自慰行為は可能です。機能性EDの方が大部分を占めています。
  • 治療は問診と内服治療となります。機能性EDの場合はバイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE-5阻害薬が効果を見込めます。

小児の病気

夜尿症

  • 夜、無意識に排尿してしまうことで一般的には幼児期には「おねしょ」といい、5歳以降を「夜尿症」と言います。
  • 原因は様々ですが、夜間の尿量が多い「多尿型」や膀胱容量が小さい「膀胱型」、またその両方である「混合型」に大別されます。
  • 検査は腹部エコー、尿検査、尿日誌の記録などあります。
  • 治療は飲水制限などの生活指導、抗利尿ホルモン薬や抗コリン薬などの薬物療法などがあります。

停留精巣

  • 精巣が陰嚢内になく鼠径部や腹腔内にある病気です。胎生期の成長の段階で精巣が上手く陰嚢まで下降しなかった状態です。
  • 生後6か月くらいまでは自然下降もあると言われています。
  • 一般的には治療法は手術です。男性不妊や精巣腫瘍の原因にもなりかねるのでしっかりと治療した方がいいでしょう。

尿道下裂

  • 外尿道口(おしっこの出口)が亀頭の先端ではなく、陰茎の腹側に開口した尿道形成不全です。
  • 排尿時に尿は下に向くため、立位での排尿が困難なことがあります。また尿道の形成不全によって陰茎の屈曲も認めます。
  • 治療法は原則的に手術となります。陰茎の屈曲を解除し、尿道を形成、亀頭の先端から排尿可能な状態にします。

女性の泌尿器科学(女性の病気)

切迫性尿失禁

  • 急激にトイレに行きたくなって、我慢できずに漏らしてしまう尿失禁です。トイレに駆け込むような状態ですから、外出時や乗り物に乗っているときに困ります。
  • はっきりとした原因が分かっておらず男女問わずみられます。前立腺肥大症や過活動膀胱にみられる症状です。
  • 治療は内服による治療が一般的で数種類の薬を組み合わせることもあります。

腹圧性尿失禁

  • 咳、くしゃみ、重いものを持つなどの動作をしたときに生じる尿失禁です。お腹に力をかけると尿が漏れてしまう状態です。加齢や分娩などによって骨盤内臓器の支持組織である骨盤底筋群のゆるみによって引き起こされると言われています。また肥満も原因の一つに挙げられます。
  • 問診、排尿日誌の記録、尿失禁の程度をはかるパッドテストなどの検査をすることがあります。パッドテストとは飲水をし、軽い運動をしてもらうことでどのくらいの尿失禁があるかを調べる検査です。
  • 治療としてはゆるんだ骨盤底筋群を鍛えるための体操が第一選択となります。内服を併用する場合もありますが、重症例ではメッシュを用いた手術が奏効します。

骨盤臓器脱

  • 骨盤の底をささえる筋肉が緩むことによっておこります。膀胱が膣から脱出する膀胱瘤、子宮が脱出する子宮脱、直腸が膣から脱出する直腸瘤に大別されます。また子宮を摘出した後でも子宮の断端が脱する子宮断端脱などもあります。
  • 加齢による骨盤底筋群の弛みが主な原因で出産や出産時の会陰切開、肥満などが主な誘因となります。
  • 治療としては膣にペッサリーを挿入することによる保存療法や手術を選択します。